■1992/02/?? 飛び込みで泉郷へ
 この当時、私が良く行っていたスキー場と言えば「車山」や、「エコーバレー」でしたので、この辺の地図を広げて「別荘地」と書いてある場所へ向かい、管理事務所の方に売り物件を見せてもらいますが、どこも猫の額のような斜面に張り付くようにして家が立ち並び、軒と軒が触れ合うような状況なので、なんだか横浜の家と変わらないし付近の施設も古びていてなんだか気に入らないので断念。一番気に入らなかったのは、留守中を守ってくれることになる管理事務所があまりに古びていて、非常に不安だった事が上げられます。管理事務所は一番人が出入りする場所ですし、ここにお金がかかっていないのは管理そのものの体制が不充分であると想像されても文句は言えないと思います。事実、そうだった物件も多々ありました。

 その後、ほとんどあきらめながら白樺湖周辺を探しますが、そもそもここは国定公園内なので新規の開発が行われず、非常に物件が少ないためにあったとしてもペンションや保養所のような大規模物件しかないような状態。そもそも売り物件を探すのが困難な場所でもありました。せっかくこの場所が気に入ったのですが、手持ちの地図を見ると少し離れれば「蓼科高原」や、「女神湖」の方にまだいくつかの別荘地があるようです。でも、標高が1,500m以下の場所では夏の暑さが心配です。せっかく高原に家を建てるのにエアコンをつけなければいけない自体だけは何とか避けたいので、標高が1,600mである「女神湖」へ向かいます。

 白樺高原牧場の交差点に近づいた頃、ある看板が私の目にとまりました。手書きで小さく「分譲中」たったこれだけです。我ながら良く見つけたと感心しますが、道路左脇の大きな看板の横にまるで宅配便ありますの合図であるかのように掲げられた「分譲中」の看板。普通ならそのまま通過してしまいますが、白樺湖から走ってきて最初の分譲中の看板でしたので駄目もとで左折してみました。するとどうでしょう、まっすぐな一本道が200m程いかにも別荘地という雰囲気の道が続き、簡素な案内看板が立っているだけ。とりあえず指示された管理事務所の方へ向かうと、その先には雰囲気のいい小奇麗な管理事務所の建物が現れました。また、沿道の家々の立ち並ぶ間隔が広く、非常にゆとりのある感じです。だいたい300坪間隔くらいの分譲地のようです。ドライブがてら付いて来ていた母親もなかなか雰囲気がいいねと感心しています。これは好感度高しと期待しつつ、高そうだなぁと不安感も高まります。^^;

 さっそく、管理事務所へ入り親に売り物件を訪ねてもらいます。(若輩者の私が聞いてもまともに相手にしてもらえない場合が多いんですね...;;) この時対応してくださった方が、当時管理事務所の支配人であった市原さん(現在は泉郷八ヶ岳ワンワンパラダイス勤務)で、非常に腰の低い丁寧な方で、わざわざ売り物件を案内してくださり、こまごまとした説明や情報を下さりました。なかなか良いところだねと親と話していると、「どうです、一晩宿泊されては?」 後で知ったことですが、泉郷さんの事業の一つに貸別荘の運営というのがあって、個人が建てた別荘を借り上げて泉郷さんが一括で貸別荘として運営し、その売上を個人に分配してくれるシステムがあったのです。そもそも日帰りのつもりでしたので宿の手配はしていませんでしたが、土曜日の夕暮れ時でしたので一も二も無くお世話になることに。これが始めての別荘体験でした。

 季節は冬。周辺は雪が積もりなかなか静かな風情で大変気に入りました。また、お忙しい中を市原さんがあれこれお世話してくださり、いろいろと別荘に関するお話も聞かせていただき、ますます好感度UPです。特に勉強になったのは、病院の場所や、役所の場所、町の状況(青年団の強制入団なんてごめんです...^^;)等を事前に調べておくことが重要だそうです。実際、こういった対応をしていただけたのは市原(泉郷)さんが始めてでしたし、ここまでされると悪い気もしません。とにかく飛び込み客にここまでしてくれる市原さんがいるなら、ぜひともここに決めたいねと親と話しつつ夜はふけていったのでした...^^;

 そして朝。すがすがしい冬の晴天に恵まれ、さわやかな目覚めです。いいですねぇこういう雰囲気。ますますこの場所が気に入りました。また、隣の家までの距離が適度に離れていて非常に良い感じです。市原さんには3ヶ所程の物件を紹介してもらい、とりあえず蓼科泉郷別荘地を離れますが、車で5分程のところの「女神湖商店街」を紹介されたので行ってみると、とりあえず食に困らない程度のお店はそろっていながら、あまり俗化していないという非常に良い感じ。別荘地内は静かな雰囲気で、ひとたび外に出ればそこそこに賑わいがあるという大変理想的な場所であることがわかりました。まったくの山の中では寂しすぎますし、かといって賑やか過ぎるのも考え物です。この立地条件のバランスの良さが場所の選定においては一番重要だと思います。



■1992/02/?? 3時間圏内に
 自分の住居は神奈川県横浜市ですので、ここを中心に今までの行動範囲を整理してみます。大体、伊豆、箱根、富士五湖、長野方面が中心で、たま〜に東北や関越方面へ行く程度。やはり、週末に東京を通り抜ける場所は敬遠気味のようです。そこで、さらに自分の好みで絞り込んで行きます。基本的に自分は海か山かと聞かれれば、山と答えるほうなので伊豆は選外に。だいたい、スキーやキャンプがメインでしたので、そもそも南側は選びようがないという話もありますから、おのずと箱根、富士五湖も選外に。ということで、長野方面を中心に探すことにしました。ここが二つ目のポイントで、普段から行きなれている場所を中心に選ばないと勝手も分かりませんし、まったく知らない場所で選定しても思い入れが無い分あまり積極的になれません。

 また、何度と無く往復して思ったことですが、日帰りしても気にならない程度の距離にしておいた方が良いと思います。やはり、毎週のように往復する場所となるわけですから、行くのが億劫になってしまうのは問題でしょう。また、現地までの交通費やガソリン代も考慮しておかないといけません。そう言う意味では、私の限界は3時間程度でしたので、長野方面で3時間程度で行けるところで、スキーができて、山があるところと絞り込んだ結果、八ヶ岳周辺が候補に上がってきます。しかし、八ヶ岳はスキー場があまり多くありませんし雪も少ないし標高も低いし、もともとあまり行っている場所ではありませんでしたし、いまいち琴線に触れる場所ではありませんでしたので選外へ。

 結局、いつも日帰りで出かけていた白樺湖周辺のスキー場を中心に物件を探すことにして、現地で物件情報を探してみます。結局これも後で分かったことですが、良い物件は現地で探した方が早くみつかるようで、自分が気に入った場所をまず探し、そこで売り物件が無いかどうか探した方が間違い無く気に入ったものが見つかると思います。



■1992/02/?? 家を建てるきっかけ
 そもそも、何だって長野の山中に家なんか建てる気になったのでしょう...

 1992年当時、まだまだ25歳の若輩者の私はスキーやらキャンプやらに夢中になってまして、週末と言えば季節を問わず山やら川やらで登山やスキー、カヌー、キャンプ等に明け暮れておりました。もちろん一人者で実家に住みついていますから金銭的余裕も多少ありまして、車を買い換えようと思い立ち、キャンピングカーなんぞを買おうといろいろ調べたりしていたのです。要するに、キャンプそのものが楽しみであったのが、徐々にですが現地での遊びに興味対象がシフトして行ったわけで、500万円程度のキャンピングカーを物色し車の買い替えを親に伝えたところ、「あんた、そんなもんに金かける余裕があるなら不動産買いなさい。」と一笑にふされました。^^; 

 確かにお説ごもっともで、キャンピングカーは最初は良いのですが年々資産価値は下がりますし、よくよく考えてみればキャンピングカーが停められて尚且つキャンプしようとすると、当然の如くキャンプ場しか無いわけで、そうなると場所の制限もあるしで、言われてみればキャンピングカーを買ってもあまり役に立ちそうにありません。一番大きな問題だったのは、キャンピングカーは目的が居住ですので現地まで快適にドライビングできないことです。ふわふわしてて、曲がるのも大変で、加速も減速もやっとの状態で何百キロも走ることを考えると結構ぞっとしますね...^^; 普通、25歳で不動産のことなんて夢にも考えませんから、この親のアドバイスは的確でした。ここが最初のポイントでしょう。

 それならばと、リゾート物件情報誌等を買っていて不動産情報を物色してみますがそれなりに良い値段してます。さすがに無理とあきらめかけましたが、父親の他界という不幸がありふさぎこんでいた母親も、気分を変える意味からも私の不動産購入話に乗り気になっており、資金的にも協力を約束してくれたので具現化してきました。しかし、どうもこの手の買い物は現物を見ないと気が済まないので、いつまでも情報誌を眺めているのではなく、実際に自分の行動範囲の中で探すことに。


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